オススメのフィクションを募集する話
11月から、通勤時間が片道役30分長くなる+電車で座れる時間の期待値が大幅減となりました。それまでは、比較的よく吸われていたので眠たけりゃ寝るし、起きていればタブレット(Xperia Z3 Tablet Compact)のKindleアプリでマンガを読む生活。が、先の事情の変化により、立ってタブレットを読む時間が増えたため、マンガだとバカスカ回転してしまい購入費用がかさむかさむ。というわけで活字媒体にカムバックしようと思いました。
読書といえば、わたくしはポピュラーサイエンスか歴史を主に読みます。が、書評などでこれ読みたい!と思ってもKindle化されていないことが多すぎて困ってしまいます。そんなわけで、たまたま何かの拍子で見かけ、そういえば近年何かと話題になっているような気がする伊藤計劃さんの『虐殺器官』と『ハーモニー』を立て続けに読みました。
かなり面白かったです。(イカネタバレを含むかも)
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: Kindle版
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ジャンルはサイエンス・フィクション(イカ、略してSF)。普段サイエンスを好む自分にとって、サイエンス部分の理解不足によりフィクションが飲み込めないことがなかったのが幸い。すなわち、サイエンス部分に馴染みがあったのでフィクションをより楽しめたのが幸い。同じことなので二回言いました。ネットスラングです。
あと、サイエンスの部分が現在のサイエンスに立脚しているのも読みやすい。1920年から200年後を描くのと、2010年から110年後を描くのでは同じ2220年でもだいぶ違うから。
さらに、映像的想像力をほとんど必要としない、会話や思考を中心に話が進んでいくのもよい。映像的なフィクションなら映像で消費したほうがいいから。また、映像的な表現にしても、同時代、同文化の作者によるものなので、世界観?パラダイム?そういうもを広く共有していると思われるので、すんなり想像できる。
【余談】『ハーモニー』の、一切の葛藤がなく完全に合理的に振る舞う人間には意識が不要となる(哲学的ゾンビになる)、という展開には新鮮な驚きがあった。【脳がごにょごにょと勝手に決定して行動を開始した後、その決定に辻褄の合うもっともな理由としてでっちあげられたものが意識として知覚される。では、なぜそういう機能を人間が獲得したかといえば以下略。】みたいな世界観にわたくしはいるので。そういう最近の見解を踏まえたうえで、サイエンスのどの時点からフィクションを分岐させるかが醍醐味なのかしら。プログレ厨並みの感想。ネットスラングです。
さっと上記2冊を読み終え、次を選定する手間がめんどうだったので何かに推薦された『すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー, 1932年)を引き続き読み、終わる。
- 作者: オルダス・ハクスリー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/04/24
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こちらは1932年当時のサイエンスからフィクションが生じているので細かい違和感がもろもろあってやや引っかかった。また、異なる時代、異なる文化の作者によるものなので、映像的な表現もモヤっと思い浮かんだり浮かばなかったりしながら読み進むことになりました。
サイエンスや映像に違和感があろうとも共有ができずとも、それが物語の本質ではいところが、時代を超えて読み継がれ、果てにはわたしのところまで届いたゆえん。だけどサイエンスの部分に目をつぶったら単なるフィクションであり、その他もろもろの文芸と同じ抽象度じゃなイカ。とも思う。
という感じのわたくしに、おすすめのフィクションを紹介して頂けるとトテモ助かります。ちなかつて読んだフィクションの98%は筒井康隆氏によるものなので、氏以外の著者であれば既読ということはまずありません。
この文章は、退屈な社員時間の居眠り防止&さっそうと仕事している風にキーボードをったーんするために書かれたものである。